阪神・淡路大震災で多く起こった家屋の倒壊は、屋根の重さが引き起こしたのではないかと言われましたが、今日、瓦屋根の重さは倒壊の原因でないことが専門家の研究で明らかになっています。
その主原因は、木造住宅の構造上の欠陥と、屋根の上の土にありました。
昭和初期頃から戦後復興期に建てられた家屋はいうまでもなく、震災を知らない時代の一般家屋の建築には「筋かいと金物で補強する」という概念が希薄でした。
また、古くから良質な土に恵まれ瓦の生産地でもあった近畿圏では、家屋には屋根の上に土を敷いてその上に瓦を置くという方法が一般的でした。
近ごろ再評価されている漆喰壁のように土は湿度を調節してくれるのですが、年月を経ると劣化した屋根の土が流れ、簡単に瓦がずれたり外れやすくなります。近畿圏特有の施工方法に問題があったことは否めません。
現在では、震災を機に屋根に土を載せない工法が普及しています。土を降ろすと、屋根10坪で約2tも軽くなるんですよ。
1.敷いてあった土を取り除く | 2.屋根板を補強する | 3.横方向だけでなく縦方向にも(井桁に)さん木を組む |
4.縦・横のさん木に瓦をステンレスビスで固定する | 5.斜め位置にある瓦同士を固定する(インターロック) | 6.軒瓦及び袖瓦をパッキン付きステンレスビスで止める |
1.敷いてあった土を取り除く | 2.新しいシルガードで土台を作る | 3.棟の基礎となる材木を金具で屋根に固定する |
4.樹脂製の固定機材に棟瓦を固定する | 5.棟瓦をステンレスビスで止める | 6.地震・台風にびくともしない屋根の完成! |